毎月21日は東寺の縁日!『弘法市』は骨董、野菜、衣料品…なんでもあるよ!

2021年12月30日木曜日

京都の暮らし・日常

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「縁日」ってご存じですか?


私は「縁日=お祭」だと思っていたのですが、どうやら違ったようです。恥ずかしい。


縁日とは、降誕、降臨、示現、誓願など、神仏がこの世と縁を持つ日のこと。神社やお寺ごとに決まっており、その日に参拝するといつもよりご利益があるのだとか。


縁日=お祭だと思い込んでいた原因は、「縁日は特別な日だからお祭をするようになった」という因果関係なのに、私の頭の中でごちゃごちゃになり、「どっちも同じもの」になっちゃったから、でしょうね。



五重塔で有名な京都・東寺の縁日は毎月21日で、この日は『弘法市(こうぼういち)』が開かれます。骨董品や雑貨、野菜、衣料品、屋台など、いろいろなお店が出店する楽しい露天市です。


この記事では、20万人が訪れるとも言われる京都最大級の露天市『弘法市』について、歴史と魅力、どんなものが買えたのか紹介していきます。

弘法市の歴史



東寺の縁日は毎月21日です。空海(弘法大師)が入寂したのが3月21日で、東寺では毎月21日に御影供(みえいく)が行われています。いわゆる「供養」ですね。


当初は年に1回だったそうですが、1239年以降、月命日に行われるようになったそうです。参詣に訪れる人も段々と増え、「一服一銭」と呼ばれる簡素な屋台で茶店を出す商人が出てくるように。これが弘法市の起源らしく、江戸時代には植木屋や薬屋なども出てくるようになって、現在ではいろいろなお店が出店する露天市になりました。


なお、弘法市は「弘法さん」とも呼ばれます。

東寺と高野山の信仰について

おやっ、と思うのが、弘法大師は3月21日に入寂、つまり亡くなっていること。一方、高野山信仰では、弘法大師は今も高野山に生き、瞑想を続けている、とされています。


……なんだかダブスタの気配を感じますけど、まあいっか。今後の研究課題とします。

弘法市に行ってみた



今回訪れたのは、12月の弘法市、通称「終い弘法(しまいこうぼう)」です! 1月21日の弘法市は「初弘法(はつこうぼう)」、12月21日の弘法市は「終い弘法」で、一際賑わうのだとか。


2020~2021年はコロナの影響で弘法市自体が中止になったこともありましたが、終い弘法は無事に開催。慶賀門の外までお店が溢れ、境内に入る前から「いつもの東寺と違う感」が漂っておりました。



今回は約800店舗が出店したとのことですが、これでも例年の6割ほどの店舗数だそうです。常連と思しきお客さんたちが、混雑具合について「いつもに比べたら少ないね」と話しているのも聞こえてきました。コロナ前は1000店以上が出店し、20万人が訪れたというので驚きます。そんなスペースどこにある……?

どんなお店があるの?

私の目に入ったお店を列挙するだけでも、

  • 食器、お箸
  • ハンドメイド雑貨
  • 着物用品
  • 染め物
  • 古着
  • 日本画
  • 生花、盆栽
  • 野菜、果物
  • 漬物
  • 干し柿、干し芋
  • やきそば、たこやきなど屋台

といろいろなジャンルがありました! 無いものは無い、くらいの勢いです。フリーマーケットとは異なり、自分のお店を持っているプロたちが集まっているので、どのお店にも質の良い品物が並んでいました。今回は年末ということもあり、来年の干支、とらの置物を売っているお店も多かった。


弘法市は開店・閉店の時間が特に決まっておらず、日の出から日没ごろまで、出店者の都合でお店が開きます。人気のお店は早く売り切れてしまうかもしれないので、午前中など早めに行ったほうが良いかな、とは思います。特にお野菜など生鮮食品は、品質の良いものから先に売れていきますので。

弘法市で私が買ったもの

それでは、買ったものを紹介していきます! どれもかなりお得に買えて、家計が本当に助かります。これが縁日のご利益ってやつか~(違う)


和歌山の有田みかん

弘法市には全国からお店が集うので、京都のみならずいろいろな地域の特産品が買えます。野菜も果物もごろっと大きいものが「1キロいくら」「1カゴいくら」で売られており、とってもリーズナブルでした!



ただ、一人暮らしで大量に買っても食べきれないので、見極めは慎重に。ここは毎食後に食べられる、みかんを買うことにしました。



ずっしり中身の詰まった有田みかん8個がなんと200円。スーパーで買えるみかんより、大きくて安くてラッキー。果汁がたっぷりで、甘くて美味しかったです。


質が良いのに安い野菜や果物は、まさに飛ぶように売れておりました。一人暮らしの私にはなかなか手が出ないですが、野菜や果物をまとめ買いしたい人には絶対お得。ああ、でもさつまいもは買っても良かったかも……ちょっと後悔しています。


みずほ製菓のあられ

こちらも飛ぶように売れていた、みずほ製菓さん。滋賀県のあられやさんで、弘法市や天神市など、京都、大阪、滋賀の手づくり市を中心に出店しているそう。



1袋100円から美味しいあられが買えて、私はザラメつきのを2袋買ってきました!



ザラメつきって、「おかきミックス」とかに1つだけ入っている当たりのイメージ。なので、1袋丸ごとザラメつきって特別な感じがして嬉しい。



特に「しそ味」が、罠かと思うくらい美味しかったです。香ばしい醤油の塩味、ザラメの甘さ、サッパリしたしその風味のマリアージュ! ボリボリと噛む度、口の中で複雑な味が広がります。あられを口に運ぶ手が止まりません。ほんと止まらん。次の弘法市でも絶対買います。


⇒みずほ製菓 公式ウェブサイト


栄堂のたいやき

みかんとあられを買ったあとは、弘法市の活気を感じながら、屋台で何か買って食べたい気分に。やきそばとか、広島風お好み焼きも良いんですけど、甘いものが食べたい気分……



そんなときに見つけたのが、栄堂のたいやき! あずきだけでなく、夕張メロンやりんごなど、いろいろな味がありました。



このサイトのヘッダーにも写真を使うくらい、たいやきが好きなので、スタンダードなあずきのたいやきをいただきました。200円とリーズナブルな価格。形が可愛い~! 丸っこいですね!



味も最高で、ふわふわの生地の中に、こっくりと甘く煮詰まったあんこが、ぎゅうっと詰まっていました。かじったらあんこが溢れ出しそうなくらい。めちゃくちゃ美味しかったです。写真は私の齧り跡。


なお、公式ウェブサイトを見つけられなかったので、栄堂さんは幻のお店です。次回の弘法市でも出会えるでしょうか。ほかの味も食べてみたいんですけど……。

ガラクタ市にも行ってみた

弘法市とは別に、東寺では『ガラクタ市』も開かれます。こちらは毎月第一日曜日の開催。



弘法市と比べると、店舗数は少ないです。食料品のお店はなく、屋台も2~3個くらいでした。ガラクタ市だからといってガラクタばかりではないけど、骨董品やハンドメイドの雑貨を中心に、確かにわけのわからないガラクタっぽいものも多かったです。わけのわからなさを楽しむ市なのかな。



お客さんの人数も少ないですが、おしくらまんじゅうの弘法市に比べると、動き回りやすくて良いなと思いました。

【まとめ】21日は弘法市で掘り出し物を探すのじゃ

買ったものが食べ物ばかりになってしまいましたが、弘法市にはいろいろなものが売っていたのです。お箸とか、ダメになったときのために買っておいても良かったかも。


また会いたいお店もできたし、次の弘法市も行きたいです。毎月21日は弘法市! 楽しみなルーティンができました。 

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千葉生まれ千葉育ちの美術ライター、明菜は京都に転居しました。日本の文化や伝統を学び、京都に染まって帰郷するべく、『和文化の定理』では京都のリアルな暮らしを発信します!

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