つげ櫛のお手入れ方法を解説!どんな人におすすめなのか愛用者が語ります

2020年9月12日土曜日

日常生活を豊かにする和文化

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今日も津軽三味線の練習はしているのですが、今回はちょっと違う話題をします。皆さん、『つげ櫛』ってご存知ですか?


「ツゲ(黄楊、柘植)」という木から作った櫛のことを「つげ櫛」と言い、日本では昔から使われてきました。静電気が起きにくいので髪に優しい、などのメリットがあるんですよね。


私もつげ櫛を愛用しているので、お手入れ方法を紹介していきます。その前に、どんな人につげ櫛がおすすめなのか、私なりの考えをお伝えしていきますね。

つげ櫛をおすすめしたい人とは?

私は4年くらいつげ櫛を実際に使っているので、経験を踏まえて、こんな人におすすめだなーと思っています。

  • 髪の毛に天然のオイルを使いたい人
  • 手荒れなどのため、トリートメントを触れない人
  • 切れ毛や枝毛に悩んでいる人
  • 木の経年変化を楽しみたい人


ちなみに私の櫛がこちら。桜が彫り込まれた可愛いデザインでお気に入り。



プチ自慢が終わったところで、どんな人に向いているのかお伝えしていきますね!

髪の毛に天然のオイルを使いたい人

椿油や柚子油など、髪につける用の植物由来のオイルはドラッグストアでも手に入ります。しかし、手のひらに取って直接髪につけると、ベタっとついてギトギトしてしまいがちです…。


つげ櫛の場合、櫛にオイルを含ませるので、髪を梳かすことで髪全体にオイルが行き渡ります。適量を伸ばせるので、天然のオイルを使いたいならつげ櫛と一緒に使うのがおすすめです。

手荒れなどのため、トリートメントを触れない人

私がまさにそうなのですが、手のひらの炎症が酷く、トリートメントなど流れにくい化粧品をつけると、さらに炎症が酷くなっちゃうんですよね。だからといって髪を放置すると、髪がゴワゴワになるんだな、これが…。


つげ櫛を使えば、髪を梳かすことでオイルを塗れるので、手のひらでトリートメントを広げる必要はありません。トリートメントを触らなくて良いので、手荒れが酷い人にもおすすめです。

切れ毛や枝毛に悩んでいる人

切れ毛や枝毛の原因の一つが、静電気らしいんですよね。プラスチックの櫛やブラシで髪を梳かすと、静電気が起こって髪に良くないのだとか。


つげ櫛は静電気があまり起こらないので、プラスチックのものより髪に優しいです。切れ毛や枝毛に悩む方も、つげ櫛を使えば改善するかもしれません。

木の経年変化を楽しみたい人

つげ櫛の醍醐味が、長く使うことによる経年変化です!削りたての新品は白に近い色ですが、オイルを染み込ませて使って行くと、飴色に変わっていくそうです。


私の櫛はまだ人間で言うと17歳くらいかな、といった印象。もっともっと育てて良い色にしたいです。


こういう、長く愛用して物を育てる感覚が好きな人にも、つげ櫛はとってもおすすめ。革製品を育てるのに似てるかな、と思います。

つげ櫛のお手入れ方法

それでは、つげ櫛のお手入れ方法を見ていきましょう!私のオリジナルの方法なので、絶対の正解ではないと思いますが、参考にしてくださいませ。5分くらいで終わる簡単なお手入れ方法です。

①つげ櫛・油・歯ブラシを用意する

用意するものは、つげ櫛と、と、掃除用具です。私はマツキヨで80円だった歯ブラシを使っていますが、束ねた糸や厚紙などで掃除する人もいるみたいです。



油は、100%天然の植物性の油を使います。普通に椿油がおすすめ。つげ櫛と言ったら椿油ですし、通販でも椿油に漬けた状態で届けてもらえることがあります。


他に使えるのは、柚子油オリーブオイルなど、酸化しにくい油です。私は柚子油を使っています。


馬油やココナッツオイルなど酸化しやすい油、ホホバオイルなど固まりやすい油は適さないので、やめておきましょう。


歯ブラシは、私は櫛を掃除する用に新品を買いました。使い古した歯ブラシを使う方もいるようなのですが、私の場合、口の中を掃除した歯ブラシで櫛を掃除するのはちょっと…と思ったので、櫛用の歯ブラシを1本常備しています。

②櫛の歯の間を掃除する

歯ブラシにオイルを含ませて、櫛の歯と歯の間を掃除していきます。全体にオイルをつけた後、優しく擦ると白いホコリが出てきます。ティッシュや指で取って綺麗にしてあげましょう。



お手入れをサボって汚れが酷い場合は、オイルに浸して一晩放置すると、ホコリが柔らかくなって取りやすくなります。ジップロックに櫛とオイルを入れて放置しておきましょう。

③全体に油を塗る

オイルを塗った歯の部分だけ、色が濃くなっていると思います。私は全体的に同じ色になっていて欲しいので、手で持つ部分にもサッと油を塗っておきます。

④一晩乾かす

油を塗りすぎてヌラヌラしているところは拭き取り、一晩乾かします。これでお手入れは終了!歯ブラシも洗って乾かしてからしまいます。


お手入れ前後の私のつげ櫛を比較してみましょう。



ツヤが全然違いますよね。同じ照明・同じ場所で撮影したので、光沢が増していることが分かります。


今回はちょっと長くお手入れをサボったので、ビフォー・アフターがなかなか衝撃です。櫛がパリパリに乾く前にはお手入れした方が良いと思います。


これくらい櫛が油を含んでいれば、髪を梳かすだけでオイルがいい感じに髪に行き渡ります!


つげ櫛に関する注意点いろいろ

つげ櫛の使い方やお手入れの頻度など、最後に注意点をまとめました。あらかじめ知っておかないと失敗するかもしれないので、これからつげ櫛を買う方はご注意くださいね。

水に濡らすのは絶対NG

つげ櫛に限らず、木でできたものは水に弱いです。濡れた手で触ったり、濡れた髪を梳かすのはやめましょう。


水洗いなんて厳禁です。上述したように、お掃除は必ずオイルで優しくお願いします。


水に塗れると木が変形し、歯が反ったり、間隔がバラバラになったりするそうです。それでも使えるかもしれませんが、長く愛用することを考えると…水は避けた方が良いですね。


使い込んだつげ櫛は油で表面がツルツルしているので、水洗いして大丈夫そうに思えるかもしれません。が、大丈夫ではないはずなので、水に濡れないように管理しましょう。

お手入れの頻度について

つげ櫛のお手入れの頻度は、2週間から1ヶ月に1回くらいで良いと思います。私の場合はそれくらいで、今まで特に問題は起きていません。


2週間から1ヶ月ごとにお手入れする場合、私の感覚だと、歯ブラシで簡単に掃除すれば十分そう。1ヶ月以上経ってしまったら、一晩オイルに漬け込んでから掃除をしてます。そうすると、こびりついた汚れが取れやすいです。

ヘアオイルを使っても問題無いのか

洗い流さないトリートメントにも、オイルタイプのものが販売されていますね。こういうのです。


一見、椿油の代わりに使えそうなのですが、ヘアオイルはつげ櫛には使わない方が良いと思います。使ってる方もいるようなのですが…


というのも、100%植物由来の成分ではない場合が多いから。石油系の原料が入っていることが多く、つげ櫛には適さないそうです。

百均のは国産ではないかも

つげ櫛の値段ってピンキリで、高級な薩摩つげを使った櫛は1万円以上することもあります。私のは3000円なのですが、これが国産のつげ櫛の最低ラインだと思ってください。(つまり、私は価格を比較して一番安いところで買ったんです)


百均やドラッグストア、プチプラコスメのお店でも「つげ櫛」という商品がありますが、1000円未満で買えるのは、少なくとも国産ではないと思われます。モノによっては「つげ」ですらないこともあるらしいです。


ちなみに私は100円や500円くらいの櫛から始めて、物足りなくなって3000円の櫛を買っちゃった人です。安いものでも髪は梳かせますが、オイルの染み込みが悪いので、あんまりおすすめはできないです。


あと、高い櫛の方がデザインが洗練されていますし、色んな種類から選べます。自分だけの櫛を見つけたいなら、3000円~5000円くらい見積もっておくと良いと思います。


とはいえ、安い櫛にも使い道はあると思います。例えば、今まで使ったことがない油を実験するときに使えるのではないでしょうか。高い櫛にいきなり塗るのはためらわれるので…。

最初はにおいが気になるかも

つげ櫛をネットで注文して、開けたときの最初の印象が、「なんかにおう!?」でした…。新品は燻製にしたようなにおいがするので、最初は気になるかもしれません。

燻製のにおいも独特ですからね…苦手な人もいるんじゃないでしょうか。苦手だけどつげ櫛を諦めたくない!という方は、店舗で実物を見たり嗅いだりしながら選ぶと良いと思います。

とはいっても、燻製っぽいにおいは使っていくうちに薄くなります。私の場合、わざわざ櫛に鼻を近づけてじっくり嗅がない限り、気にならないくらいです。

ちなみに使い古した櫛の場合、お掃除をしていないとフケなどが溜まって臭くなるらしいです…。燻製以外のにおいがしたら要注意ですね。水洗いできないので油で汚れを浮かせる感じで、綺麗にしていきましょう。

【まとめ】つげ櫛で髪の毛もツヤツヤに!

つげ櫛のお手入れ方法を中心に、つげ櫛がおすすめの人や注意点を解説してきました。ポイントをまとめておきましょう。


  • 手荒れ、切れ毛・枝毛に悩む人におすすめ
  • お手入れの頻度は2週間から1ヶ月に1回
  • 水に濡らすのは厳禁


私は手荒れが酷くてトリートメントを触れないので、つげ櫛を持ってて良かった〜と思ってます。買う前はお手入れが面倒かと思ったのですが、実際はかなり簡単でした。


長く愛用して育てる楽しみもありますし、こういう日本の文化も大切にしていきたいな。


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