1週間でスクイは上手くなる?津軽三味線スクイのコツを考える

2020年8月31日月曜日

津軽三味線 ゼロからの練習記録

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三味線の技の一つである「スクイ」を練習し始め、1週間が経ちました。


ゼロから始めた三味線素人は、1週間でどこまで上達できたのか?具体的な練習方法とともにお伝えしていきます。

三味線の「スクイ」とは?

「スクイ」は三味線の糸を下から上に弾くテクニックです。ギターで言うところの「アップピッキング」と同じらしい。


反対に、上から下に弾く基本のテクニックは「ウチ」です。スクイは、タタキの次の音(裏拍)や弱めの音を表現するのに使われているようです。


ウチは糸を弾くのと皮を叩くのを同時にやるので「パシーン!」と強い音がするのですが、スクイは糸を弾くだけなので若干弱い音がします。使い分けることで音色の表現の幅が広がります!

1週間で「スクイ」はどこまで上達したのか?

「スクイ」の練習初日と1週間後の動画を撮っておきました。変化を見ることで、初心者でもこれくらいは上達できると参考にしていただければと思います。

まずは練習初日の動画がこちら。
全然下手ですね…勢いでごまかそうとしています。

ツイートでも書きましたが、下から上に糸を救うとき、「キュッ」というノイズが出るので、それをカバーするために大きい音を出そうとしています。音量を上げるために動作が大振りになり、無駄な動きが多くなってる…恥ずかしい…。

次に、スクイの練習を始めてから1週間が経過したときの動画がこちら。少しはマシになっていると思います。(タタキではなくウチですね)
まだ下から上げるときに「よいしょっ!」となっている感じは否めないのですが、勢いに頼らなくても音が出るようになってきました。力を入れなくても「ズーン」と響く音が出るようになってきています。ノイズはやや残ってますが…。

初心者が実感した「スクイ」の難しさ

1週間練習したことで、スクイの難しさが分かってきました。要約すると以下の3つの理由で難しくなっているのですが、やはりやってみなければ分からなかった難しさですね。

  • 空振りする
  • 撥(バチ)が引っかかる
  • キュッて音がする

空振りする

ウチで糸を下に弾いた後、スクイで上に弾くので、同じ経路を弾ければウチもスクイも糸に当たるはず…なんですけど。なぜかスクイは空振りしやすいです。糸に引っかからない。

三味線は撥先の3ミリくらいのところで糸を弾くので、思いどおりに糸が引っかからないんですわ…なぜかスクイはそれが顕著。


これは練習あるのみです。やりやすい手首の角度が見つかれば、空振りしにくくなっていきます。

撥が引っかかる

「空振りしないように、撥を深く入れて弾けば良いんじゃないの?」と思った方!それはそれで問題があるんです。


というのも、深く入れすぎると撥が糸に引っかかった状態になり、弾けないんです。トラップにかかってる感じ。糸を解放して初めて音が出るので、やはり撥先3ミリのところで弾かないと。


音が出ないだけでなく、次の音符の演奏に遅れが出るかもしれない点では、空振りより悪いんじゃないか…という気がしています。

キュッて音がする

ウチとスクイを繰り返していると、スクイの直前に「キュッ」というノイズが出ます。プロの演奏CDを聞いても完全にノイズが無くなっているわけではないようなので、ある程度は仕方ないと思いますが、あまり大きいノイズが出るなら改善の余地ありです。


ウチで音を鳴らしたとき、糸が振動しているのですが、ここにスクイで下から撥を当てることでノイズが出ているようなんですよね。振動する糸が撥にベシベシ当たっているイメージ。


ノイズを少なくするためには、無駄に糸に接触しないこと、糸を弾くときは素早くやることかな、と今のところは思っています。

スクイの効率よい練習方法とは?

ではスクイはどうやって練習したら上手くなるのか?ですが、スクイ単独で練習するのが良いように思います。こんな感じ。

普通はウチとスクイをセットにして、撥を上→下→上→下→…と練習することが多いようなのですが、まずはスクイ単独でやると良いのでは。スクイの「ズーン」という深い響きを堪能できるので、「これがスクイの表現かぁ~」と実感できますし。


加えて、ウチとセットにしてしまうと、どうしてもノイズから逃れられないんですよね。スクイ単独でやってノイズが出るならフォーム改善の必要がありますが、単独でノイズが出なければそこまで気にしなくて良いと思います。


スクイ単独で練習することで、撥先3ミリをしっかり目視しながら練習できるので、精度が上がります。撥を動かす方向にも意識が行くので、垂直な上げ下げを練習できますし。単独練習オススメ。

【まとめ】三味線の基本の技「スクイ」は1週間でもそれなりになる!

スクイはよく登場するテクニックなので、三味線をやるなら絶対に身につけたいテクニックです。ノイズや空振りが難しいのですが、まずはスクイだけで練習して響きを味わうのがおすすめ!

実際に曲中で使っている動画は近日中に別記事で紹介しますが、割と違和感なく入っているかと。始めて1週間でも曲が弾けるんだな~ってことをお伝えできればと思うので、ぜひご期待ください!

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