三味線の技の一つである「スクイ」を練習し始め、1週間が経ちました。
ゼロから始めた三味線素人は、1週間でどこまで上達できたのか?具体的な練習方法とともにお伝えしていきます。
三味線の「スクイ」とは?
「スクイ」は三味線の糸を下から上に弾くテクニックです。ギターで言うところの「アップピッキング」と同じらしい。
反対に、上から下に弾く基本のテクニックは「ウチ」です。スクイは、タタキの次の音(裏拍)や弱めの音を表現するのに使われているようです。
ウチは糸を弾くのと皮を叩くのを同時にやるので「パシーン!」と強い音がするのですが、スクイは糸を弾くだけなので若干弱い音がします。使い分けることで音色の表現の幅が広がります!
1週間で「スクイ」はどこまで上達したのか?
津軽三味線の技「スクイ」練習初日の動画。
— 明菜(美術ブロガー・アートの定理) (@Akina_art) August 30, 2020
下から上に撥を動かすときに鳴る「キュッ」というノイズを、大きい音量でカバーしようとする浅はかな考えが音色に出ている。。。 pic.twitter.com/8gKYdxUhBO
こちらが三味線の「スクイ」の練習を始めてから1週間の動画。
— 明菜(美術ブロガー・アートの定理) (@Akina_art) August 30, 2020
少しマシな音が出てきました。
上から下に下ろす「タタキ」も精度が良くなってきた。 pic.twitter.com/xbwHTsI0hQ
初心者が実感した「スクイ」の難しさ
1週間練習したことで、スクイの難しさが分かってきました。要約すると以下の3つの理由で難しくなっているのですが、やはりやってみなければ分からなかった難しさですね。
- 空振りする
- 撥(バチ)が引っかかる
- キュッて音がする
空振りする
撥が引っかかる
「空振りしないように、撥を深く入れて弾けば良いんじゃないの?」と思った方!それはそれで問題があるんです。
というのも、深く入れすぎると撥が糸に引っかかった状態になり、弾けないんです。トラップにかかってる感じ。糸を解放して初めて音が出るので、やはり撥先3ミリのところで弾かないと。
音が出ないだけでなく、次の音符の演奏に遅れが出るかもしれない点では、空振りより悪いんじゃないか…という気がしています。
キュッて音がする
ウチとスクイを繰り返していると、スクイの直前に「キュッ」というノイズが出ます。プロの演奏CDを聞いても完全にノイズが無くなっているわけではないようなので、ある程度は仕方ないと思いますが、あまり大きいノイズが出るなら改善の余地ありです。
ウチで音を鳴らしたとき、糸が振動しているのですが、ここにスクイで下から撥を当てることでノイズが出ているようなんですよね。振動する糸が撥にベシベシ当たっているイメージ。
ノイズを少なくするためには、無駄に糸に接触しないこと、糸を弾くときは素早くやることかな、と今のところは思っています。
スクイの効率よい練習方法とは?
ではスクイはどうやって練習したら上手くなるのか?ですが、スクイ単独で練習するのが良いように思います。こんな感じ。
三味線の「スクイ」の練習は、タタキとセットではなく、まずスクイ単独でやるのが良い気がする。
— 明菜(美術ブロガー・アートの定理) (@Akina_art) August 30, 2020
どんな音色が出るのかを確認できるし、撥先3ミリくらいで正確にすくう練習ができます。 pic.twitter.com/WsmPuPeOve
普通はウチとスクイをセットにして、撥を上→下→上→下→…と練習することが多いようなのですが、まずはスクイ単独でやると良いのでは。スクイの「ズーン」という深い響きを堪能できるので、「これがスクイの表現かぁ~」と実感できますし。
加えて、ウチとセットにしてしまうと、どうしてもノイズから逃れられないんですよね。スクイ単独でやってノイズが出るならフォーム改善の必要がありますが、単独でノイズが出なければそこまで気にしなくて良いと思います。
スクイ単独で練習することで、撥先3ミリをしっかり目視しながら練習できるので、精度が上がります。撥を動かす方向にも意識が行くので、垂直な上げ下げを練習できますし。単独練習オススメ。
【まとめ】三味線の基本の技「スクイ」は1週間でもそれなりになる!
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