三味線は右手に持った撥で糸を弾くだけでなく、左手でも音を出します。開放弦なら人差し指で弾くので簡単ですが、糸を人差し指で押さえ、薬指で弾くのは結構大変。
薬指と糸の摩擦のためか、このハジキの練習で水膨れや血豆ができてしまいました。初心者あるあるだと思うので、どういうタイムラインで痛めてしまったのか整理しておきたいと思います。
ハジキの練習と痛めるまでのタイムライン
タイムラインを追うと、以下のようになります。
水膨れができて治るまで
・薬指でのハジキを練習し始める→この日を1日目とします。
・4日目に水膨れができる→とりあえず潰す
・5、6日目は痛くて薬指で糸を押さえられなくなり、薬指を使わないテクニックを練習
潰した後は皮が破けたので、その下の薄いお肌が露出して、糸に触れるだけで痛かったです。それが治ると同時に、水膨れがあった部分の皮膚が硬くなりました。
第1弾の血豆ができるまで
・7日目に練習を再開すると、また水膨れらしきものができる
⇒ただし、皮が硬くなっているので破裂はしない
・そのまま弾き続けると、8日目に血豆になりました。以下の動画を撮った後にふと指先を見たら、血豆ができていました。
#津軽三味線 練習開始10日くらい、『こきりこ節(じょんがら調)』を弾いてみた!
— 明菜(美術ブロガー・アートの定理) (@Akina_art) September 1, 2020
長さ制限のため、途中までしか投稿できない💦 pic.twitter.com/rqsSIq3i7V
第2弾の血豆ができるまで
・9日目は血豆を治すことを優先し、練習を休む
・10日目の練習では、若干痛みはあるものの、ちょっと水膨れっぽいかな程度の膨らみができる
⇒お風呂でふやけたのか、破裂してボロボロに
・11日目の練習では、ボロボロの皮膚が糸に引っかかり、さらにボロボロに。柔らかい皮膚が糸に当たったためか、血豆ができる
⇒血豆というか、内出血状態。しかも負傷の範囲が広がっている
私の指なんて、パソコンのキーボードを叩いて記事を書いたり、スマホゲームのガチャを回したりするためにしか使ってないんですよ。三味線の糸のように硬くて細い物を押さえたり擦ったりしたら、指の方が負けるに決まっているのです。
結論:タコや血豆はできるもの
大袈裟に言ってしまいましたが、楽器の練習をすればタコや血豆はできます。三味線だけじゃないです。和楽器も西洋の楽器もその他の楽器も、ケガを全くしない楽器の方が珍しいと思います。
私の練習方法が間違っているとかではなく、そういうものなんですよね。絶対に正しい方法で練習できている自信はないけど、正しく練習しても続けていればたこや血豆はできると思います。
これを書いている現在は上記の11日目でして、パソコンのキーボードを打つときにピリピリと痛みます。でも、感覚がちょっとずつ変わってきました。明らかに皮が厚くなってきてますね。
調べてみると三味線を弾く方は薬指にたこができやすいし、タコをヤスリで削って演奏している方もいるらしい。三味線は糸をしっかり押さえないとカッコいい音が出ないので、指先の皮膚の硬さも音色に影響するんですよね。というわけで、タコや血豆はできるものだと結論づけてます。
タコや血豆ができても練習は続ける?
私個人の考えですが、負傷して痛いなら練習を休んで良いんじゃないでしょうか。特にこのブログはプロを目指す方ではなく、趣味でやってみたい三味線初心者の方が読んでいると思うので。
どんな楽器でも、血が出るまで練習してプロになった方が大勢いるので、「上達したいならそれくらい我慢を〜」といった意見はよく見られます。それも正しいのだと思います。
ただし、プロになりたいわけじゃないなら、休んだ方が良いと思います。痛みを堪えて練習して、さらに悪化して…そうなっても楽器を好きでいられます?趣味でやるなら楽器を好きでいる方を取った方が良いと思う。
だからこそプロの演奏者の凄さが分かる
私がこの記事で伝えたかったのは2つです。1つは、三味線の練習では手指を痛める場合があること。
もう1つは、痛みを越えてその道を進んで行ったプロの演奏者マジ凄い最強リスペクトってことです。
三味線に限らずですが、プロの方の巧さはテクニックやリズム感を見れば分かります。それらの技術を磨くために費やした膨大な時間や犠牲にした青春も、想像に難くありません。
しかし、投げ出してしまいたくなるほどの痛みに堪えて上達したことは、外から見ても案外分からないんですよね。皆さん涼しい顔で演奏されているから。
プロになるために痛みを経験し、場合によってはプロになってからも痛い思いをされている。これが分かっただけでも、私は自分が痛い思いをした価値があったと思うよ。
【まとめ】三味線は痛いけど楽しい
1記事通してほぼ血豆への愚痴じゃないか、と思われるかもしれないんですけど、本当に痛いんです!
でも不思議なことに、練習中は痛みに気づかないんですよね。後で指先を見て、血の赤を認識すると痛くなってきます。
それだけ三味線に夢中になってるんです。初めての楽器で音楽を奏でること自体がもう楽しくて楽しくて仕方ないです。
とはいえキーボードを打つのが痛いと仕事に支障を来しますし、さすがに「三味線弾きすぎて負傷したので納期遅れます」と言ったらクライアントが激怒します。治すために練習間隔を空けるなど対策はしますが、もっと上手く弾けるようにこれからも練習を続けていきます!
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